・単行本(角川書店・1992/10)
・文庫(角川文庫・1996/1)
・文庫(新潮文庫・2005/1/1)
造園設計家・恵門は、記憶の中にぽっかりと空白があるのに気付いた。大事な会議で、使い慣れた用語がどうしても思い出せない経験もした。ひょっとしてアルツハイマー病か?医師の判断を仰ごうと決心し、身がすくむほどの不安を感じる。自分は本当に真実が聞きたいのか?もし宣告されたら、この先の人生は?
とてつもない恐怖に直面する患者の気持が、読む者の心を打つ衝撃作。造園設計家として精力的に活動していた恵門潤一郎は、大きな仕事を前に、
最近の自分の体調がどことなくおかしいことが気になっていた。
幸いなことに友達の八木智之が精神科の教授だったため、恵門は彼を訪ねた時に、
相談してみることにした。
★★★☆☆
「ちちんぷいぷい」の本屋さんのコーナーで、
「明日の記憶」と共に若年性アルツハイマーを題材にした作品ということで紹介されていたので、
2冊揃って購入。「明日の記憶」はまた後日読むことにして。
この恵門の場合は、ある程度自分のおかれた状況を理解し、
どういう病気かもある程度調べた上で、覚悟の上で告知を医師に迫る。
もちろん、それまでには相当な葛藤があったと思われるのだが、
この作品の中ではあまり取り乱すようなシーンがない。
それだけでなく、自分に残された時間を調べあげ、その間にしたいこと、
できることを冷静に書き出し、実行していく。
その姿があまりに淡々としているように感じてしまい、だからだろうか、
あまり共感できないというか、本当に人間はこんな状況におかれた時に、
こんな風に行動できるのだろうか?という疑問の方を大きく感じてしまう。
あと、いくら残された時間だとはいっても、不倫にはしってしまうところも好きじゃない。
”若年性”とはいえ、50は過ぎている。こんなものなのかなぁ。