・単行本(ジャンプジェイブックス・1996/10)
・文庫(集英社文庫・2000/5/25)
[夏と花火と私の死体]
■第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞 受賞
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか?死体をどこへ隠せばいいのか?恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。【夏と花火と私の死体】【優子】以上2篇を収録した短編集。
★★★☆☆
[夏と花火と私の死体]
9歳で同い年の弥生ちゃんと、夏祭りを心待ちにしていた五月(さつき)。
2人は夏祭りの準備をする弥生ちゃんの兄・健くんを待つ間、木登りをしていた。
五月がふともらした一言は、幼い嫉妬心を刺激。
五月は弥生ちゃんの手に押され、地面へと落下していった・・・。
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五月、つまり死体目線でストーリーが進むというなんとも奇抜な作品。
またその語り口調が淡々としているのが怖さを倍増(^^;
「一体どうしたんだ、弥生?」 まるで子供を泣きやませるように、
弥生ちゃんとわたしの死体に優しい微笑みを向けて、健くんはそう訊いた。
そしてわたしに近寄りながら言った。
「五月ちゃん、死んでるじゃないか。弥生、泣いてちゃわからないだろ、なにがあったのか話してみなよ」
わたしが死んでいることを簡単に確認してから、健くんは笑みを浮かべたまま弥生ちゃんに言う。
こ、怖すぎる・・・。